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訳注 – 幕間劇(番外編)3

No Rest For The Wicked 番外編その3

作者のコメントはまだありません。訳者による注記のみです。
リンク先のページは、右のフレームに開きます。

Page 01:

[訳注] …この章は、注釈が多くなりそうな。

まず、少年が唄っている歌。原文の歌詞は次のとおりです。

Oh Picky Dick, He met her
 atop a winding stair
She had smooth skin like porcelain
 and sunbeams in her hair
But Dick said “Just forget her,
 her socks don’t make a pair”
And he went on, for she was not his princess.

 おぉ、ケッペキ・ディック。螺旋階段で姫に出会い
 肌はスベスベ陶器のよう、輝く髪はキラキラと舞い
 そしたらディックこう言った、「こりゃダメだ。靴下片っぽ柄違い」
 なのでディックは行っちゃった。愛しの姫よどこにいる。

七五調にして韻はあきらめようかと考えていましたが、ドイツ語版では踏んでるようなので、頑張ってみました (正直しんどい出来ですが)。
英語の音節数にそろえるのは、はなからあきらめてましたが、七五調も若干崩れているところあり…。んー。
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橋の下にいるのはトロールです。妖精、悪鬼の類で、一般に穴蔵や橋の下などに潜むとされているようです。Mark Oakley 作 Thieves & Kingsに出てくるトロールと似ている (この画像のような感じ) という声もありましたが、特に意図したわけではないとのこと。
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そしてタイトル(目次にしか出てきません)。
これって日本発の文言ではありますが、元ネタの日本語版でも英文が使われているんですよねぇ…。訳しちゃうと、かえって意味が通じない。と言って、英文そのままでもピンと来ないおそれが多分にある…。ということで、多少はピンと来やすい形にしてみたつもりです。※ 新レイアウトへの変更で、うまい形になりませんでした。タイトルとして、任天堂マリオ・ブラザーズのステージ・クリア画面の一部を掲載していたのですが・・・(2012.3.27追記)
そうは言っても古い話なので、やっぱりわからない方はこちらの2つ目の項を参照

掲載時の作者の弁は、こんな感じです。「このコミックを始めるにあたって、ポップ・カルチャーを何となしに持ち込んだりするのはやめようと誓ったんですが、第一話の『these boots were made for walking (注: もともとはナンシー・シナトラのヒット曲のタイトル。ジェシカ・シンプソンなどカバーも多数あり)』に続いて禁を破ってしまいました。私の世代は幼い頃、多くの子供がこの言葉に魂を燃え上がらせたり、腹を立てたりしたもんです」

 

 

Page 03:

[訳注]
本ページにはすべては出ていませんが、フォーラムの記載によると、二番の歌詞は次のようなものだそうです。

Oh Picky Dick, he found her
 a-singing ‘neath the trees,
So sweet to hear, wild beasts drew near
 Just as tame as you please,
Said Dick, “With that lot ‘round her,
 she probably has fleas.”
And he went on, for she was not his princess.

 おぉ、ケッペキ・ディック。木の下の姫、歌声高く
 耳にたいへん心地よく、取り巻く獣も顔やわらかく
 そしたらディックこう言った。「こんなのがいたんじゃ、きっとノミがわく」
 なのでディックは行っちゃった。愛しの姫よどこにいる。

例によって、韻を踏ませるため、かなり意訳です。

 

 

Page 04:

[訳注] この巨人と囚われの王女のエピソードは、特定の童話を元にしたものではないとのことです。 

 

Page 05:

[訳注]「目と鼻の脇」の原文は”stone’s drop”。本来は、”stone’s throw“です。ちなみに「目と腹の先」とかしてみたこともありました(意味不明度はこちらが上)。

「直線処理で」は”as the crow sings”。本来は、”as the crow flies“=「直線距離で」です。・・・日本語で適当な慣用表現がないのが辛いところ。これも「直線拒否」とかいろいろ考えた。

ところで『重力の使命』というSFを読んでいたら、同じ表現が出てきました。メスカリンという星の住人に「カラスの飛行」とは何か、と訊かれるくだりがあります(その星は重力がすさまじく、鳥などいないため、「カラス」も「飛行」もイメージできないのです)。この本では、訳注による処理になっていました。
 

 

Page 06:

[訳注] 「棚から…」の原文は、”drop into ~’s lap”。「(棚ぼた式に幸運など)が~に転がり込む」の意です。 

 

Page 07:

[訳注] 3番の歌詞は、部分的にしかわかっていませんが、次のようなものです。

“Picky Dick, He spied her
 a-strollin’ down the shore,
Her feet were light
 as birds in flight

 おぉ、ケッペキ・ディック。海辺の姫を見初めたものの
 その足取りはあまりに軽く、空飛ぶ鳥のように往く

 

 

Page 11:

[訳注] アヴリル(Avril)はフランス語の4月。王妃もやはり、月名が名前になっています。

「針仕事」は『眠りの森の姫』。「豆のアレルギー」は第一話1ページで既出。歌がうまくないのは・・・ちょっとわかりません。人魚姫は声が出せないのだけど、たぶん関係ない。

「悪酔いジャック」の原文は、”Jack-be-sick”。童謡”Jack be nimble”(元はマザーグース)にある、”Jack be quick”という一節に関連があるかもしれません。 

 

 

 

Page 13:

[訳注] ノヴェンバーの母君は、ここでもやはり顔を見せません。 

 

Page 14:

[訳注] 「地を這うような」は”at the bottom of a ditch”。呑んだくれや行き倒れが溝にはまり込んでいるイメージ。この番外編の1ページ目で、リカルドがまさにその状態になっています。
また、ノヴェンバー姫も、溝ではないけど、地の深みにはまりこんでしまったわけで、その辺のほのめかしもあるかもしれない。・・・などと、考えるのはよいのですが、それらをうまく両立させる表現がいまいち出てこないのが悩みの種です。