この作品の核となっているおとぎ話「埋められた月」を連載しています。
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埋められた月 (13)
小鬼どもは変な形の大きな石を運んできて、彼女が浮かび上がってこないように載せた。そのうえで、二匹の鬼火に、黒い古木を交替で見張るように命じた。彼女をこのまま囚えておけるように、逃げ出して自分たちの気晴らしのタネがなくなったりしないようにとね。
こうして哀れな月は、沼の中に埋められて死んだも同然。誰かが彼女を解放してくれるまで、それは続くんだ。だが、彼女の居場所が誰にわかる? わかりゃしないさ。(つづく)
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