この作品の核となっているおとぎ話「埋められた月」の連載、再開です。
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埋められた月 (6)
そうしたまま暗闇の中、助けが来るものか不安を感じながら震えて立っていたら、遠くで何かの呼び声が聞こえた。呼び声、また呼び声、そしてその声はすすり泣きで消えていき、やがて沼は哀れな泣き声でいっぱいになってしまった。そうするうちに、泥の中でピシャピシャやったり茂みに足を滑らせてもがく足音が聞こえ、闇を通して、ひどくおびえた目をした白い顔が見えた。(つづく)
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これまでの話
(1)~(5)。