Skip to content

第二話 p.26

第二話 p.26 published on

この作品の核となっているおとぎ話「埋められた月」を連載しています。


+ : + : + : + : + : + : + : + : + :
埋められた月 (19)
そこで次の夜、まだ薄暗がりの中、一同はそろって出かけた。みんな、口には石を入れ、手にはハシバミの枝を持ってね。気分はどうかって、まあ見当はつくだろうが、そりゃあ恐ろしく不気味な思いをしてたさ。 沼の真ん中を通る道をみんなしてこけつまろびつ進んでいくと、目には何も見えなかったが、ため息だのコソコソする音だのが耳に入ってきたし、冷たい湿った指が体に触れるのもわかった。でも、棺とロウソク、それに十字架を探し回っているうちにいつの間にやら、月が埋められている、大きな古木のそばにある水辺に近づいていたんだ。そして、いくらも経たないうちに、一同は恐れおののきながら困惑して立ち止まった。(つづく)
+ : + : + : + : + : + : + : + : + :

これまでの話
(1)~(18)