この作品の核となっているおとぎ話「埋められた月」を連載しています。
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埋められた月 (18)
そこで一同は、物知り婆さんのところへ出向き、このことを話した。彼女はもう一度、壺を覗き込み本に目を通すと、うなずいた。
「まだ暗い、まだまだ暗いねぇ!」彼女は言った。「はっきりとは見えんの。だがまあ、あたしの言うとおりにして、後はあんたらが自分で見つけるんだ。夜が深くなる前に、あんたらみんなで行くんじゃよ。口の中には石を入れて、手にはハシバミの枝を持って。無事に家に帰るまで、一言も口をきいちゃいかんよ。そしたら心配はいらん、沼の真ん中へ歩いて行くんじゃ。
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これまでの話
(1)~(17)。